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コミックと小説のシーンリストです。出版社・五十音別に分けてあります。 数が多くなったら、別ページにすると思います。 秋田書店 えんむす シグルイ 天使的探偵団 ハンターキラー美奈 魔月館奇譚 ラヴラビィズ アスペクト 新ハイパーあんな プリンセスミネルバ 宙(おおぞら)出版 女王様と呼ばないで 角川書店 THE KING OF FIGHTERS 94 ステーシー SAW 講談社……現在14作品 実業之日本社 女豹 集英社 おしとね天膳 BOING ボクの婚約者 みんなあげちゃう 厄災仔寵 るろうに剣心 小学館 あずみ S.O.S Dr.コトー診療所 モザイク 闇のイージス 新潮社 サムライ刑事(バンチコミックス) SQUARE ENIX すもももももも スコラ クレオパトラD.C. こともなし凶一郎!! 蒼竜社 弾 AMMO ソニーマガジン BIRTH 日本文芸社 警視庁秘密捜査官 さくら マギー s犬Jr. ビブロス ゲノム 双葉社 おさなづま 東京家族 Mr.ボーイ(アクションコミックス) ルパン三世Y メディアファクトリー パラノイアストリート
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一言でいうなれば、それは日常茶飯事であった。何ら問題ない。お茶を飲みながらのほほんと見ていられるような日常茶飯事である。 ただし夢幻学園に限る。 『只今から夢幻学園中等部はァァァァァァーッッ!我々3年㌦組&3年㌆組が乗っ取った!!!!!!!!! 総計71名のB級&A級異能者!!教師であろうと我らが優秀な兵隊に!!!傷一つ!!!!付けることは!!! できん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』 高らかに叫んでいるのは夢幻学園中等部に座する69人(=㌦組㌆組のクラスメイトほぼ全員を)舎弟を持つ神宮殿兄妹だった。 神宮殿兄弟は共に優秀な異能者である。教師の強さを1に例えると、彼らの強さは二人合わせて0.4といったところか。そう、非常に優秀だ。 唯一欠点があるとすれば。 頭が弱いところか。 彼らは、この学園でこういったテロじみたことを起こすというのが、どれほど身の程知らずなことなのかを知らない。 今彼らは自己陶酔で絶頂に浸っていることだろう。一時の快楽である。一瞬で終わるレベル。 「あっ、京塚先生…今日も綺麗ですね!!!!!!!!!」 コイツは私の後輩教師、伊東塚。伊東でいいだろ、なんで塚まで入れたんだ?塚がかぶるし。なんか腹立つ。 「それで、㌦組と㌆組の担任はどうですか?」 「あッはい!!!!㌦組のアレフガルド先生ですがさきほど死亡が確認されました!!!㌆組の鮒崎は重症で、現在集中治療室のようでっす!」 なるほど。頭が弱くても、腕は中々のようだ。 「あの程度の集団だったら、風紀委員の四天王(笑)に任せておけばなんとかなるんじゃないっすかねぇ?!」 「…いや、不可能ですね。奴らは近年稀にみる協力交戦に長けた異能者達のようです。一人ならまだしも、二つも教室を乗っ取って71名… 例え我々でも、何の策もなしで突っ込めばアレフガルド先生のようになる可能性がある」 「マジっすかー」 「まぁ我々が動かなくても、きっと誰かが動くでしょう。放置です、放置」 「ですよねー!!!!!!!!!!!!!!!!」 我ながら正論だった。 面倒臭いから放置しよう。時刻は既に放課後。私は見たいドラマがあるのだ。教師の仕事?義務?知ったことか!!!!消えろ!!!!!! そう思いつつ、踵を華麗に返そうとした。 その時だった…… 『ん?なんだ貴様は!兵士達よ、コイツを殺sヒデヨイブヌンブ!!!!!!!!!!!!!!!!』 『うわぁあああああああああ!化け物だァァァアアアアアアアアアアアア!!!!誰かコイツを!コイツを誰か!誰ヴァメギラス』 次の瞬間、奴らが乗っ取っていた㌦組と㌆組の教室の窓硝子&壁がことごとく粉砕、そこから大量の生徒達が吹っ飛んでいった。 汚い花火だ。 そのまま転落していく生徒達の多くは、銃などの武装をしているように見える。(にも関わらず、ほぼ全員クビが360度曲がっていたり体が凸凹になっていたり既に死亡か気絶の状態だったが) 「なんすかァ!?何事っスかァアアア!?!?」 「(なんだ…思ってたよりすぐに来たわね、夢幻学園にも真面目な教師はいるもんなんだ)」 ──だが私の考えは間違いだった。そう、真面目な教師などこの夢幻学園には滅多にいるはずないのである。 少なくとも私が知ってる中でまともな人間は一人もいない。どうなってんだこの学園 …私は知らず知らずのうちに思考停止していたのだ。 一瞬であの神宮殿兄妹を殲滅するだけの力量をもつ『生徒』など、いるはずがないと…。 (まぁちょっと考えればいてもおかしくないなとは思うけど) 「私がどけと言ってるのに道をあけないからこういうことになる。なぁ白鳥?」 既に息絶えた神宮殿兄と、最早原型も残っていない妹。 そして69名もいたその他クラスメイトは既にほぼ全員窓硝子からアイキャンフライした。アイキャンフライしなかった人達は、やはり原型がない。 我らが子乃ちゃんは今日も圧倒的だった。 「あの……子乃ちゃんって異能検査で毎回測定不能だよね……一体何者なの?超越してるの?」 「あぁ、今日はカレーが食べたい気分だな」 ナチュラルにスルーされたこの俺こそが白鳥裕也です。 取り敢えず、あたりを見渡してみる。 死体、死体、死体…回想を回してみよう。 まず、子乃ちゃんが教室に突っ込んだ瞬間、周囲の30名が即死した。一瞬で四肢がバラバラになったり…はしなかったが、 腹や顔などいずれも体の一部分が致命的にしか見えないぐらい凹み、そのまま恐ろしい勢いで吹き飛んだ。 炎を出したり、体から針を出したり、ナイフを瞬間移動させたり、手持ちの銃を放ったり……もう40名はなけなしの時間で応戦こそしたが、 全てが子乃ちゃんの半径1mの周囲で『何か物凄い、人ならざる力のようなもの』で静止し、消沈。その防御網を通過しても容易く躱される。 その後抵抗する間もなく全員が窓ごと…いや、壁ごと吹き飛ばされ、このざまだ。 この間約3秒。中でも、神宮殿の妹は教室の周囲にいたので、非常に非情なスクラップ死体へと成り果てた。救えないとはこのことである。 「今日は何も食べたくない気分だ……」 「人の死体を見ると、食欲が湧いてくるじゃないか。特に自らの手で殺すと格別に腹が減る。」 「それは異能で体力使うからじゃないの?」 「口答えするんじゃないッッッ!!!!!!」 「パキイ。」 パキイッッッッッッッッッッッッと俺の頚部が叫ぶ……最近子乃ちゃんは、時々人を殺戮しないと気が済まないらしい。子乃ちゃん曰く『発情期』なんだとか。 多分意味を間違っている。というか、そんな発情期あってたまるか!!!!!!!!!!!!!!!! なんとか子乃ちゃんを社会に適合させたいと考える俺だが………これではまだまだ程遠いなぁ、というかだんだん自信がなくなってきた。 「いつまで寝てる積もりだ……帰るぞ白鳥」 「あ、うん」 しかしまぁ、最近子乃ちゃんが前と比べてさらに無愛想になった、気が、するような。 何故だろうか………俺、最近子乃ちゃんが突然「飽きた」とか言って俺の首を折る夢をよく見るんだけど、正夢じゃないよね! これは、6日前の出来事。 「若林さん。貴方の『寮』が確保されそうです。」 「誰だ貴様」 「私はアレフガルド。教師ですよ」 職員室まで来いなどと言われていたので、無視していたら、突然目の前に現れた男。眼鏡が気色悪いひょろひょろの奴だ。 どれぐらいひょろいかと言うと白鳥並にひょろい。 「寮だって?そんなもの、白鳥の寮を使っているから問題ないが」 「問題ないわけないでしょう。あなた方は未成年で、しかも異性同士ですよ」 「白鳥は白鳥だ。男でも女でも人間でもないだろう?」 「ええ、ちょっと何を言ってるか理解できませんが、あなたの意思には関係なくあなた達の使っている寮の隣に、さらに大きいマンション型の寮が一週間後 新築されます。なのであなたは必然的にそちらへ行くことなりますが構いませんね?所持品などは自分で運ぶことになりますが。」 新築だと……? 一週間後って貴様、隣は何もない大平原じゃないか。 あっわかったぞ さてはキチガイだな!!?!!?!?!!? 「ええ、さてはキチガイだな?って顔ですね…まぁそれは、一週間後になってみれば分かりますよ。では…」 「よくわからんが……私はまだ白鳥の部屋を出て行くと言ってないぞ!!!貴様、勝手に話を進めるんじゃない!!!」 「おや、貴女は白鳥裕也さんに特別な感情を抱いてらっしゃるんですか?それは知りませんでした…」 「そんなわけないだろう。あんなのは油取り紙以下の価値しかない。」 「ですよね、なら出て行くのも?」 「一向に構わんさ」 「ですよね、ではさようならです。」 足元が光った、と思ったら一瞬で消えるヒョロ眼鏡。もう二度と現れないモブキャラの癖に無駄に凝ってるな。 というか、なんだ?凄い乗せられた気がするのは、気のせいだろうな。うん……… まぁ………いい…か。 白鳥など実に平凡で、下らぬカスみたいな奴……、どうだって。 ………。 ……。 ところで。 最近の子乃ちゃんの異常行動を察している者は白鳥裕也だけではなかった!───夜はふけ、時計は2時を回る、そんな深夜である。 闇からとあるアパート型の寮を、木々から監視する影がそこにはあった!!!!! 「超小型の監視カメラ、盗聴器を設置しても、若林子乃に発見され破壊された…彼女は素晴らしい感性をもっている。そう思わないか?ステファニー」 「はい、その通りです。お嬢様」 「にしても…白鳥裕也は悪夢に魘され、今日も眠る、か… この性犯罪者候補は危険だな。寝ぼけて若林子乃を襲うかもしれない…まぁ彼女なら例え相手が大男でも平気だろうが」 「はい、その通りです。お嬢様」 「しかし子乃ちゃんの寝顔可愛いなぁ…写真に納めておくか」 「はい、ティッシュをどうぞ。お嬢様」 「いや、いい…今日はオナりにきたのではないからな。彼女の監視するために来たのだ」 いや、しかし彼女じゃなければどうだろう?…ああ!!!!駄目だ、獣と化した白鳥裕也!襲われるいたいけな幼女達1!!! しまった!何故私はこのような危険人物を今まで生かしておいたんだ!??!!?!!! 今すぐ殺そう! 「よし、ステファニー、ライフルをよこせ。私の腕前を見せてやる」 「…監視するのではなかったんですか?」 「性犯罪者駆除のほうが監視よりも、盗撮よりも遙かに優先順位が高いだろうが!!!!!!!!!!それでも私の執事か!!!!!」 「あの、余り大声を出さないほうが良いと思いますよ」 「……ハッ、そうだな!ははっ、すまんすまん。ん?」 ふと見ると…そこには窓越しに銃を構える少女、若林子乃の姿があった。 その姿はとても凛々しく、美しい。あぁ、この造形美を…この凛々しすぎる造形美を写真に残し、永久に保存したい。そしてその写真で永久に見抜きしていたい。 クレイ・ブラクは無意識のうちにカメラを構えていた───それは彼女が、彼女の魂によって『回避行動』『防御行動』『降参行動』… どれよりも『優先的に』、『無意識的に』、『衝動的に』行われた……彼女にとっては唯一無二の行動だったといえるだろう。 しかし…シャッターを待たずして、クレイの額に弾丸は命中した。 無念──クレイはただそれだけを思って木から落下した。 「邪魔をするな。今日が、最後の日なんだよ…」 その呟きは、誰の耳にも入らず消えた(もしクレイの耳に入りでもしたら大変なことになる) 朝。朝になっていた。見ると時刻は8時過ぎ。学校、今日はない。土日である。 しかし…土日だろうがなんだろうが、いつもは子乃ちゃんの腹パンで目を覚ます俺だったが、今日は何故だかそれがない。 子乃ちゃんがいなくなった…?一瞬そんな気がした俺はガバッと起きる。 そこには遠出用の服装に着替えた子乃ちゃんがいた。 「どこにいく?」と聞こうとしたが、その前に子乃ちゃんが口を開いた。 「白鳥!今日は暇つぶしに夢幻街でも歩くぞ!!!」 「え?…でもテスト勉強が」 「白鳥」 「早急に行くぜ!!!」 これ以上の口答えは頭が叩き割られる気がしてならなかった! 最近の子乃ちゃんは、行動が今まで以上に分からない…いつの間に難易度がハードからルナティックに上がったのか。…いや、元からハードは軽く超越しているか。 「白鳥、お前の行きたいところに行ってやる。感謝して良いぞ!」 柄にもないことを、いつもの口調でいう子乃ちゃんがいた。そこにはやはり、変な違和感がある。 だが、良いだろう───久々に本気を出すか。 俺が向かおうと思った先、そこは俗に言う『ゲーセン』だった!!!! ゲームセンターのイエローヘルメット……最近、すっかりそれが私の通り名だった。 仕事柄、工事現場風の作業服とヘルメットがマイスタイル。手に常時持ったつるはしが余計キャラを引き立ているようだ。 しかし勘違いしないでいただきたい。無論、無論だ。有名になったのはキャラが立っているからだけではない!!!!!!!!!! そう、このゲームセンターで私は王だ。いや、姫か? ゲームセンター『エビバデ夢幻』。 夢幻街で最も格ゲーなゲーセン。 やたら格ゲーという格ゲーが揃えてあるこのゲーセン。 しかし、ここの真の見所はそこではない。 このゲーセンの醍醐味、それは────── 『勝ったァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!! イエローヘルメットがまた勝ったぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!』 騒ぎ立てる大衆。コイツらはゲームをしにきたのではなく、私を見に来たのだ。 「フッ…格ゲーで私に勝っても、『リアルファイト』ではまだまだだな、少年!!!!!」 「ぐ、ぐばぁ…り、理不尽だ…!!」 「ほう、これを理不尽と言うか…少年、良いことを教えてやろう!!!!!!!!!!!!!!!」 メギャンヌ!!!!!!!!!!! 私は鋼鉄のメリケンサックで髪型が突っ張ったいかにもな少年の顔面を殴る!!思い切り!!!!!! 「世の中とは、得てして理不尽!このゲーセンは、謂わば世の縮図ゥゥゥ!!!!!!!!!!!」 吹き飛んで、背後にあった台に突っ込む少年は、最早血まみれで息をしていない! 「ヘルメットの姉御、やりすぎですぜ…台が大破しちまった」 「マスターすまねぇ。久々でな…私が弁償しよう」 「いや!姉御が弁償する必要はねぇ。この糞ガキに請求しとくからよ!」 「はっはっは!そうか、そうだな!!」 良いね、良い汗をかいた。やはりここはいい……さて?次の対戦者はどいつだ── おかしい。 何かがおかしい。 三年前だ。俺が、白鳥裕也ここに最後に来たのは、三年前の小学生の頃! あの頃は普通だったはずだ。 見てみると、数十人、いや百人はいそうだ…そんな人だかり。この時点でおかしい。 そう、ゲーセンの中央で何かが起きているのだ!!!!!!!!!!!!! そして、彼らが叫んでいる言葉から、何が起きているかを予想するのは割と容易かった。 『リアルファイト』だ。 これはおかしい。明らかに、異様だ!!!! 「ふむ……白鳥、私はゲーセンというものを知らん。お前がまずやってくれないか!」 「ちょっと何言ってるかわからないですね」 この異様さをちっとも理解しようとしない子乃ちゃんもまた異様…いや、理解した上で言っているのか?ありうる!!!鬱です 「子乃ちゃん、今日はその、アレみたいだから、また今度にしよう」 「黙れ。早くしろ」 「はい。」 まぁ、待て。落ち着け、俺。いいじゃないか。隅っこで良いじゃないか。隅っこで良いじゃないか……… 連中がストリートファイトを繰り広げているのは、飽くまで中央。俺と子乃ちゃんは、ここの格ゲーで細々とやっていこうじゃないか。 よし、決まりだ!ここでやr…… 「オラー!次の対戦者は誰だァー!」 「そうだそうだー!!!!」 「!?」 !? なんだ…これは!?というかなんだこいつは!?なんでゲームをやってるわけでもないのに……台に座ってやがるんだ!? イカレてんのか!? 「あ?何ガンつけてん……あ!おーい!!!!!!!!」 「!?」 「こいつが次の対戦者でーす!!!!!!!!!!!!!!!」 「!?」 !? !? !?!?!?!?!? 一瞬何が起きたか理解できなかった。 突如俺の手を掴んで、『この人痴漢です!』というように理解不能なことを言い始めたこの男。理解不能である。 「ほう、そこの少年、君か?随分と勇気があるようだな」 !? 加えて理解不能である。大衆をモーゼのように割って、現れたのは中央にいた人物か…え…女性!? なんだこの人……工事現場のような作業服にヘルメット、謎のつるはし。非常に理解不能。 「ちょ、ちょっと待っ」 「頑張れ白鳥!!!!!!!!!!!!!!!!私は応援してるぞ!!!!!!!!!!!!!!」 「そうだそうだー!!!!!」 「行ってこいやァ」「おらー」「はよ」 子乃ちゃんの目が輝いている!いつになく!駄目だこれ。 イエローヘルメットな女性…意外と背が低いな。女子高生か、同級生ぐらいだろうか?しかし、そうとは思えない覇気を彼女から感じる。 死ぬかも知れない。そう思っていた。 「まぁ、座れ。な」 「へ?」 「うん。」 ぽんぽん、と笑顔で叩く。ゲームを操作するのに最もすわり心地の適した椅子を。ぽんぽん。ぽんぽん。 座って、やれと言っているのか? 「──ゲームを普通にやれと?」 「ふふ」 笑いながら、ヘルメット女は対向に座り、言った。 「無論、そのようなはずがあるまいて!!!!!!」 バギャアン!!!!!!!という音が響いた。 その凄まじい音は、台を突き抜け、俺の目の前まで迫った『黒い鉄パイプ』のものだと気づくのに、少々時間が掛かった。 「ほう。どうやら…君は助けてもらったようだぞ」 「……?」 パイプが、不自然に、曲がっている? ふと、気づいて隣を見た。 「白鳥は愚図だ。馬鹿で、阿呆だ。男でも女でもなければ、人間ですらない、かろうじて生物な奴だよ。 まさかそんな奴に、自分から『戦いに行く』なんてことが、できるはずがない。戦う前から勝負はついている。くだらない試合だ。」 そこには子乃ちゃんがいた。唇を、笑いとも怒りともつかない歪め方をしながら。 「だから?」 「ルールを説明してくれ。この微生物以下の白鳥の代わりに、私が出ようじゃないか…」 「いいだろう。許す!ルールは至って簡単!くたばったほうが敗北で!!!!殺したほうが勝利だ!!!!!!!!!」 「子乃ちゃん…………────さっき割と本気で目輝かせてヴぁ」 瞬間殴られたわけでも蹴っ飛ばされたわけでもないが、俺の体が吹き飛んだ。恐らく子乃ちゃんが異能を使ったのだろう… 視界が、だんだんと、ブラックアウトしていく様子が伺えます。ぐえあー 私に吹っ飛ばされた白鳥が、錐揉み回転しながら退場していく。ドンガラガッシャン!と音がした。無事着陸したようだ 奴は私の所有物。奴を殺すのが私以外というのは、とても気に喰わない。 「ふはは、君の大好きなかろうじて生物クンを、そんなふうに扱って良いのかい?」 「黙れ」 私は台ごと、座っている奴のいた場所を『吹っ飛ばす』!!!! 殺した!!!!!!!!!!とは思わない。手応えが0である…コイツは一筋縄ではない。そう直感が言っている。 「い、異能者だァァ!!!!」 「嘘だろォ!?異能者が二人もかよ!!!!!!!!!!」 「そうだそうだー!!!!!!!!!!!!!!」 一瞬、そんな野次馬の戯言を意識した。 ───そんなに異能者が珍しいのか?珍しくないだろう。ここは夢幻街だ……ぞ!!? 「!?チィッッ!!!!!」 「ほう、躱すかい」 突如上から降り注いだ先の尖った鉄柱を、体を反らせ躱す。 地面に突き刺さった鉄柱はサラサラと砂状になって……彼女の持つつるはしに吸い込まれて見えなくなった。なんだ、あれは?異能力?妙だな。 彼女は私と5m離れた距離に着地しており、私の異能では限界まで伸ばしてもギリギリ届かない距離だ。できるな… 「発動に片鱗も見えない異能力…しかも強力無比ときたもんだ。なら、一瞬で終わらせよう」 ヘルメット女がつるはしを振るう。 一瞬! その一瞬!その動作に気を取られた私が気づかないレベルの速度! 重いつるはしを捨て、一瞬で5mの間合いを詰めてきた!直接殴る気か… 「速いな、ヘルメットォ!!」 「!!!!!!!(勝った!!!!!!!!!! この瞬間!!!!!!!!若林子乃の後頭部に丸い影!!!吸い寄せられる!!!!!!!!黒い鉄球!!!!!!!! つるはしを振るったあの動作の時に造ったのだよ!!!!!!!!さぁ、頭蓋を叩き割ってくれる!!!脳みそをぶち撒けるが良い、小娘!!!!)」 瞬間、ほくそ笑むイエローヘルメット!!!!勝利を確信した笑い!私の直感は、この笑いの意味を理解した! 更に!ヘルメット女はメリケンサックを振りかぶる!!! 次の瞬間である! 「グッハァァア!!!!!!!!!!!!!!」 ヘルメット、粉ッ砕ッ!!!!!!!!!!!!思い通り!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 「自分が仕掛けた鉄球を喰らった気分はどうだ?」 「………」 ぶっ倒れるヘルメット女。 私の『直感』の鋭さは、コイツも予想外だったようだ…な。 落ちる鉄球を空間操作で、勢いをそのままに、私の後頭部でなくこいつの頭頂部へ落下点を調整し、これをぶつける、と… ふぅ……さて、くたばったら敗北だから、とどめを刺しておくかな── ──とまで思考したが、突如大声にそれを遮られる。 「う、嘘だろ…あのイエローヘルメットが……敗北した!?」 「うおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!パツ金ロリ!!!!!パツ金ロリ!!!!!」 「!?パ、パツ金ロリ!パツ金ロリ!!!!!!!!」 「そうだそうだァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」 パツ金ロリうおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!! などと叫び始める大衆。そんな割と忘れ去られた設定を今更持ってこられるとはな!!!!!! うるさいし殺すか…と考えていると、すっかり汚らしくなった奴が話しかけてきた。 「子乃ちゃん…お疲れ…」 「白鳥。お前ボロクソじゃないか。どうしたんだ」 何の意図か群がる人々を蹴散らし吹っ飛ばし、私は無様にも杖をついて現れた白鳥の前に立つ。 そして、仁王立ちしていたら、私の腹が突如鳴り始めた!!!!!! 「はは…えーと…ファミレスでも行く?」 反射的に白鳥の顔面を蹴っ飛ばす。 「ギャアギャアアアアアアアアアア!!!!!!」などと喚きながら地面で転がる白鳥は、見ていて面白いものがあった。 こうして…激闘の末、私達はゲーセンを後にする。 また来いよ!などと店員が宣っていたが無視した。 なんとなく、白鳥は『二度と来るか』と愛想笑いの裏に考えているように見えた。 ゲーセンには、二度と行かない!絶対にだ!!!!!!!!!! 俺は…白鳥裕也はそう決心しつつ、子乃ちゃんの空腹をカレーで満たし、その後もブラブラ適当に街を歩き…そして寮へ帰った。 子乃ちゃんは行く先々で俺を蹴ったり殴ったりした。なぁに、いつものことである。 そして、俺は愕然とした。子乃ちゃんも愕然とした。 「……………………………………………………………やぁ君達、これまた奇遇だな……?」 ヘルメット女ァァァァアアアアアアア!?!?!?!!!!?!?が、寮の前似いたのだ。 ヘルメットはセロハンテープでくっつけていた。すごい意地を感じる。 俺は思わず予想外な再登場に口の滑りが良くなってしまう。 「善意で言っておくけども!夢幻学園に侵入したら問答無用で抹殺されることだってあるんだよ!?」 「侵入じゃあない…今日はここに建物を建てにきた。」 なるほど。 ヘルメット女は頭を強く打ち過ぎたようだ。 が、子乃ちゃんは真剣な眼差しで質問する。 「…どういうことだ?つまり」 「こういうこと、だッッ!!!!!!!」 そぉい!!!!!!!!!!!と言って彼女は、平地に思い切りつるはしを突き刺す。 すると! 突き刺したところが! 突如地割れし始めているではないか!! 「これはただのツルハシじゃない!その名も『つるはしΩ』。私は錬金術と魔法を合わせた全く新しい異能力の使い手でね!このつるはしは杖代わりってわけだ! オラッシャァァァアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 掛け声を上げると、地割れから突如巨大な建築物が『生えて』くる!!!! 頭がイカレそうな光景だぜ……俺はやはり、ただ愕然とするしかなかった。子乃ちゃんは隣でその光景を淡々と見ていた。 「ふぅー…疲れた。『錬金』で地面を建物に材料に変換し、『魔法』で家を建てる!!これが私のやり方だ…その代わり部屋はものすごく淡泊になるけどな」 「おいヘルメット女。」 「なんだ?」 「今日から私は貴様が造ったこの寮で暮らすことになるのだが良いのか」 えっ? 「……!?どういう」 「白鳥は黙ってろ」 「あはい」 ヘルメット女は激昂するようにこう言った。 「良いわけないだろ!!せっかく流行っていた私の謎のヘルメット女というかっこいい通り名が、謎のパツ金ロリとかいうキモいのに上書きされちまったんだ!!!!!!! お前の居住は!!!!!!この!!!!!!私が!!!!!!!何がなんでも許さないッ!!!!!!!!!」 「あっそう!!!!!!!」 「!?!?」 「白鳥、行くぞ」 「え!?悔しがらない!不思議!」 「あー…良いの?子乃ちゃんの居住権」 「良いんだ。お前は黙ってカレーでも作ってろ」 「無視か!!」 「カレーならさっきファミレスで食べたよね?」 「………」 その後、子乃ちゃんは普通の調子に戻った……かと思いきや、寧ろ悪化した。 休日になると、 「街へ行くぞ!ゲーセンだ!!!!!」 「!?!?!?」 などということがあり、理由を聞いてみると何故か無言で殴られた。 よくわからない。年頃の娘ってのはよ…。 しかし…まぁ、色々あったが一段落ってところか。 やれやれだぜ…。 テストは赤点だった。職員室に呼び出された。「キャーやめて!」言い訳をキメた。 俺は死んだ。恋愛小説(笑)
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敦煌 登場人物 コメント 井上靖の歴史小説。講談社で初版、現行版は新潮文庫で重版。 後世に莫高窟から発見された敦煌文献の由来を主題とする。井上の一連の「西域小説」の代表作とされ、1960年に、本作と『楼蘭』によって毎日芸術賞を受賞した。 登場人物 ビークイン:ツルピア王女 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ここでは、なりきりチャットのストーリーを補完する小説を閲覧できます。 ueda 2013/01/26 疑惑 メガネ達の研究所の話。第三の霊竜、メタの後日談となっています 2013/12/28 見てしまった少年 交流所の戦いを見つめたある少年の話。2013/12/22のイベントの後日談です 2014/02/15 宮田一穂の2/14 2014バレンタインデー記念作品。宮田のヒロインっぷりをご覧あれ 五十七段幕 2013/08/17 インターミッション:古瀬のレポート 古瀬たちの世界を侵食する“花”について、古瀬がまとめたもの。キャラからの質問等あれば随時追加していきます トマトナイト 2013/09/29 renia ~ミュヴェール防衛戦~ 第1章 レニア、フィーの出会いの話。下らない諍い。そこに巨大な影が忍び寄る。 2013/10/9 renia ~ミュヴェール防衛戦~ 第2章 レニア、フィーの出会いの話。深夜、雨中の街を襲ったジャバウォック。冒険者と騎士、奇妙な二人だけの戦線は、街を守れるのか。 2014/2/2 renia ~ミュヴェール防衛戦~ 第3章 レニア、フィーの出会いの話。捨て身の作戦決行。そしてフィーの正体。 藁田猫 2013/4/10 インターミッション:幼き顔に眠る過去 藁猫家ホームタウンでの日常。ある少女の祖国がしたこと、何も知らない少女、知ってしまった彼ら。
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SIDE_FLIP あかずの書斎 書評 -推理小説- このコーナーは…… 読んだままです。 わたしが読んだ推理小説の書評です。 といっても、素人が趣味で読んでいるだけですので、通常はそんなに深く読んでいるわけでもありませんので、まあ「読書感想文」だと思っていただければよいかと。 ただ、そのくらいの方が買う本を決める参考にしていただくにはちょうどよいかも、とも思っております。 また、広義の推理小説というくくりですので「これって推理小説か?」という突っ込みはご勘弁くだされ。 現在はサイト立ち上げ直後のため、過去に読んだ小説を地道に再読しながらコンテンツを追加していっています。数は少ないですが、きちんと更新していこうと思いますのでよろしくお願いいたします。 ご注意 書評部分はネタバレ有りの場合もあります。その場合明示していますのでご注意を。 ただし、扱っている題材が推理小説ですので直接的なネタバレでなくても読者の方が自ら推理をする手助けになってしまうことはあるかもしれません。書評という性質上ある程度はやむを得ませんので、未読者の方はご注意を。……なんといってもたとえば「こんなトリックは現実離れしてる!」とあるだけでも「そうか!ちょっと強引なトリックなんだな?」というくらいの推測はできてしまうんですから。 本のあらすじについては、Amazonの「商品の説明」やその本自体の内容紹介より引用していることがあります。 本棚 #contentsx 作家別リスト あ 有栖川有栖 我孫子武丸 綾辻行人 鮎川哲也? 小栗虫太郎 か 加納朋子 北村薫 霧舎巧 鯨統一郎 倉知淳 さ 坂木司 佐飛通俊 島田荘司? 菅浩江 清涼院流水 た 高里椎奈 高田崇史 田中啓文 柄刀一 津原泰水 な 二階堂黎人 西澤保彦 法月綸太郎 は 伯方雪日? 樋口有介 ま 麻耶雄嵩 森博嗣 や 山口雅也? 夢野久作 ら わ タイトル別リスト シリーズ名がサブタイトルとして付いているものは、サブタイトルからでも検索できます。 あ アインシュタイン・ゲーム(佐飛通俊) 蒼い月 なみだ事件簿にさようなら!(鯨統一郎) 青空の卵(坂木司) 悪魔と詐欺師 薬屋探偵妖綺談(高里椎奈) 占い師はお昼寝中(倉知淳) 永遠の森 博物館惑星?(菅浩江) 歌の翼に ピアノ教室は謎だらけ?(菅浩江) か 解体諸因(西澤保彦) 金糸雀が啼く夜 薬屋探偵妖綺談(高里椎奈) 壁抜け男の謎?(有栖川有栖) 鬼女の都(菅浩江) 木野塚佐平の挑戦だ(樋口有介) QED 百人一首の呪(高田崇史) 銀の檻を溶かして 薬屋探偵妖綺談(高里椎奈) 黄色い目をした猫の幸せ 薬屋探偵妖綺談(高里椎奈) 悪魔と詐欺師 薬屋探偵妖綺談(高里椎奈) 金糸雀が啼く夜 薬屋探偵妖綺談(高里椎奈) 黒いトランク(鮎川哲也?) 月光ゲーム―Yの悲劇’88(有栖川有栖) 幻獣遁走曲 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート?(倉知淳) 黒死館殺人事件(小栗虫太郎) コズミック -世紀末探偵神話(清涼院流水) さ なみだ研究所へようこそ!−サイコセラピスト探偵波田煌子−(鯨統一郎) なみだ特捜班におまかせ!−サイコセラピスト探偵波田煌子−(鯨統一郎) なみだ学習塾をよろしく!−サイコセラピスト探偵波田煌子−(鯨統一郎) 千葉千波の事件日記 試験に出るパズル(高田崇史) 千葉千波の事件日記 試験に出ないパズル(高田崇史) 詩的私的ジャック Jack the Poetical Private(森博嗣) すべてがFになる The Perfect Insider(森博嗣) 絶叫城殺人事件(有栖川有栖) 空飛ぶ馬(北村薫) た 千葉千波の事件日記 試験に出るパズル(高田崇史) 千葉千波の事件日記 試験に出ないパズル(高田崇史) 千葉千波の事件日記 パズル自由自在(高田崇史) 冷たい密室と博士たち Doctors in Isolated Room(森博嗣) 哲学探偵(鯨統一郎) 掌の中の小鳥(加納朋子) ドグラ・マグラ(夢野久作) な なみだ研究所へようこそ!−サイコセラピスト探偵波田煌子−(鯨統一郎) なみだ特捜班におまかせ!−サイコセラピスト探偵波田煌子−(鯨統一郎) なみだ学習塾をよろしく!−サイコセラピスト探偵波田煌子−(鯨統一郎) 日曜の夜は出たくない(倉知淳) 幻獣遁走曲 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート?(倉知淳) 猫丸先輩の推測?(倉知淳) 猫丸先輩の空論?(倉知淳) は 麦酒の家の冒険(西澤保彦) 千葉千波の事件日記 パズル自由自在(高田崇史) 8の殺人(我孫子武丸) QED 百人一首の呪(高田崇史) 封印再度 Who Inside(森博嗣) ブラジル蝶の謎(有栖川有栖) ペルシャ猫の謎(有栖川有栖) ま ミステリアス学園(鯨統一郎) 名探偵はもういない(霧舎巧) 名探偵 木更津悠也(麻耶雄嵩) 謎亭論処−匠千暁の事件簿(西澤保彦) や ら 落下する緑 永見緋太郎の事件簿(田中啓文) ルピナス探偵団の当惑(津原泰水) ルピナス探偵団の憂愁?(津原泰水) ロシア紅茶の謎(有栖川有栖) わ 笑わない数学者 Mathematical Goodbye(森博嗣)
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それはなんでもないいつもの会話から始まった。ここはSOS団の部室で、谷口も国木田も休んだ俺は1人で教室で弁当を食べることが恥ずかしくて逃げてきたんだ。 そしたら長門が本を読んでいて、弁当を食べ終わった俺は無意識に話しかけていた。 「長門、その本は面白いのか?」 「ユニーク。」 まさにいつもの会話だと思う。ここまでは。 なにせ前にも同じような会話をした記憶があるしな。しかし何も考えていない今日の俺は一味違う。 「たまには違ったジャンルの本でも読んでみたらどうだ?」 「……?」 長門は数ミリ首を傾げて、何を言ってるのか分からない、というような表情を俺に仕向けてきた。 俺は少し考えて言った。 「恋愛物の小説でも読んでみたらどうだ? 人間の『恋愛をする』って感情がわかるかもしれないぞ?」 「そう。」 「それに恋愛小説ってのは曖昧な感情を意外と的確な表現で表してくるからな。情報の伝達に齟齬が発生しにくくなるぞ。」 「そう。」 言葉だけだと流されているように感じるが、長門は俺から目を離さない。意外と興味があるようだ。 さて、俺の手元には昨日買ったばかりの新刊の恋愛小説がある。今話題の小説で、なかなかのヒット作だ。少し読んだが、なかなかの面白さだった。今日明日中には読み終わるだろう。 もちろん、昨日恋愛小説を読んだから、長門にも恋愛小説というものを進めたのである。 ならば俺は読みかけのこの本を貸すべきなのか。読み終わってから貸せば良いのか。いっそのことあげて、新しいのをもう一度買おうか。 「長門は今読み終わってない本をどのくらい持ってるんだ?」 今長門が読んでいる分厚い本を軽く持ち上げた。 「それだけか?」 「そう。」 そうか。見ると、いつのまにか閉じられた分厚い本の終盤にしおりがあった。もう読み終わりそうなのか。 「じゃあ、それ終わったらこの本を読んでみてくれ。長門に合うかはわからないが、中々の面白さだったぞ?」 「そう。」 長門は俺にしか分からない程度に嬉しそうな表情をした。長門の嬉しそうな顔を久しぶりに見た俺も少し嬉しくなって、 「じゃあその本はやるから。俺はもう行くぞ。じゃあまたな。」 と言って退室しようとした。 「ありがとう。」 そう長門が言ったのを俺は聞き逃さなかった。俺は長門が感情を表現する方法を身に付けてくれればいいな、なんて思っていた。 教室に戻った俺は谷口と国木田がいないとハルヒしか話す相手がいないことに友達の少なさを実感してふて寝した。 起きるといつも通り放課後。部室に向かい、長門が薄い文庫本を読んでる以外には何ら変わりのない活動をし、帰宅した。 そして学校の帰りに俺は本屋で同じのをもう一冊買って、家に帰って読んだ。 その恋愛小説の内容はこんな感じだった。 中学生の男女の恋の話。ある女が仲の良い男と良く一緒にいるので、クラスで「付き合ってるんだろ」とか「お前ら夫婦なんだろ」とかよくバカにされていた。 実際当事者は男女とも恋愛感情はなかった。子供の頃から一緒に遊んできただけにお互いを異性として見たことがなかったからだ。 クラスのみんながバカにしなくなったころ、女と男はやや会話が減ってお互いに違う異性と話すようになってきた。 そしてお互いに、いつも一緒にいる人がいない違和感に悩まされるようになっていく。 そして、女が、男が異性と話しているのを見て、何でそこで話しているのが自分じゃないのだろうと嫉妬し、いつにも増して男と一緒にいるようになる。 その頃には女はその嫉妬が恋であることを自覚している。しかし純情な感情がそれを表にだせない。 人に相談できない女は1人で考え、押したり引いたり色々な手段を使う。 鈍感な男を振り向かせるためにずっと一緒にいる女の不器用なアプローチで男を振り向かせるまでの物語である。 最後に男が、『そんな不器用なお前の事を好きになったんだ』と言って終わるハッピーエンドのラブストーリーだ。 物語自体は普遍的なのだが、この作品は状況や感情の描写が非常におもしろい。ユニークかつ的確な表現をしている。 そういった作品の雰囲気がヒットしている理由だろう。 読み終わって満足した俺はすぐに寝てしまった。 翌日学校へ行くと、谷口と国木田がいた。 「なんだ? キョンは俺たちがいなくて寂しかったのか?そうか、お前も可愛いところあるじゃねーか。」 「何を言っての谷口。キョンには涼宮さんがいるから寂しくなんてないはずだよ。」 こいつら……。無視して席に着こう。 「よう、ハルヒ。」 「ふん!」 何を不機嫌なんだコイツは。 「聞いたわよ! あんた有希にプレゼントあげたそうじゃない。」 プレゼント? そんなのあげたか? それに何故、お前が不機嫌になるんだ? 「有希、昨日嬉しそうに本を読んでたじゃない。帰りに聞いてみたらあんたにもらったって言ってたわよ。」 「ああ、小説な。あいつにはもう少し感情豊かな人間になってほしかったんだ。お前にもやるよ。」 そういって俺は昨日読み終わったばかりの小説をハルヒにあげた。 「なんであんた同じの持ってるの?」 「いや、その場のノリであげちまったから後で読みたくなってな。帰りに同じの買って帰ったんだ。」 「バッカじゃないの?」 「いいから読んでみろって。 ハルヒもそんな恋愛してみたらどうなんだ?」 「うっさい! バカ!」 そういって俺から本をひったくる姿には不機嫌さは幾分か減少していた。 どうやらハルヒは授業中にずっと本を読んでいたらしく、珍しく平穏な一日だったと思う。 授業が全て終わり、さて部室に行くか、を鞄を持ったらハルヒはまだ本を読んでいた。 「ハルヒ、行かないのか?」 「もう少しで終わるから先行ってて!」 なるほど確かにあと少しだ。それに、なんだかんだでハルヒも気に入ってくれたみたいだ。長門はどうなんだろう。あいつの事だから読み終わってないことはないだろうが、気に入ってくれたかは微妙だと我ながら思う。 考えながら歩くといつもより早く部室に着いた気がした。ノックをして、エンジェルボイスを聞いて中に入り、お茶をもらう。 いつも通りな気もするが、何か違う。 朝比奈さんが、長門の席で小説を読んでいて、長門が俺の隣に座っている。古泉はいない。 「キョンくん、この小説わたしも借りていいですか?」 朝比奈さんがメイド服のまま違和感なく小説を読んでいて、ふとこちらを見上げて言った。 「それは長門にあげたんで、長門に聞いてください。」 「じゃあ長門さんはかしてくれるって言ってたので借りますね~」 朝比奈さんは本を呼んでいても似合うんだななんて考えていると珍しく古泉とハルヒが一緒に来た。 「ではこの本はお借りいたします。ありがとうございます、涼宮さん」 なぜ古泉までその本を! まあハルヒであることはわかっていたのだが。こんなにも凄まじい勢いでSOS団に小説が浸透していくとは、さすが文芸部室を根城にするだけはある。もちろん関係はないが。 古泉は朝比奈さんが同じ本を読んでいる事に気付き、談笑している。 ハルヒは俺と、俺の隣に座っている長門を見て不機嫌そうな表情を見せ、 「ああ、有希も読んだのよね」 なんて言って俺を長門で挟むように反対側に座ってきた。 申し合わせたように長門も軽く不機嫌そうな表情をみせる。 「おやおや、では僕と朝比奈さんは家に帰って団長オススメの本を読むのでこれで失礼します。」 「じゃあキョンくん、がんばってください」 古泉と朝比奈さんは笑顔で逃げるように去っていった。 「じゃあ3人じゃあ何もできないから解散するか。」 俺の発言に対して長門がすぐさま 「帰るのは私1人。あなたがたはまだいるといい。」 と言い放った。ハルヒが一瞬うれしそうにしたあと、 「いいえ、あたしが帰るわ! ゆっくりしてってちょうだい」 なんて言うもんで、俺はそんなに嫌われてるのか、とショックを受けつつ3人で帰る事を提案した。 そうして三人は無言の気まずい雰囲気のまま帰路に着いた。あんなに俺といることを拒絶してた2人は何故か俺に近かった。距離が。 夜になり、寝ようと思った頃に古泉から電話がきた。 「もしもし」 「何の用だ?」 「いえ、お伺いしたいことがございまして。」 「俺は眠いんだ、急ぎじゃなければ明日にしろ。」 「おや、そうですか。今日の涼宮さんと長門さんの様子についてですが、たいして急ぐわけではないので…」 「説明しろ。今すぐだ。」 俺は起き上がり、真面目に聞く体勢を整えた。今日のハルヒと長門がいつもと違って見えたのは俺だけじゃなかったのか。 「率直に聞きます。今日はお二方ともあなたに対しての態度が変動的じゃあありませんでしたか?」 「そうだ。俺を拒絶したかと思えば帰りによりそってきたり、よくわからん。」 「なるほど。僕が思うに彼女たちは小説の女性のようにあなたにアプローチをしかけてきているのですよ。」 「意味を理解しかねる。」 「僕と朝比奈さんが帰る直前にあなたと長門さんと涼宮さんがならんで座ったときに、お二方が不機嫌になったのはご存知で?」 「確証はないがそう感じはした。」 「そこで、あの小説の女性のように嫉妬による恋をお二方は確信したのですよ。それで小説の女性のようなアプローチをしかけたと。」 「なるほど、経緯はわかったが、理解しがたい話だな。」 「信じる信じないはあなたの自由です。」 古泉によると、本を読んですぐピンときたらしい。そして朝比奈さんに連絡を取ったところ、同じような感想をもらったと。 朝比奈さんに夜中に電話をかけるなんて、あの可愛らしいエンジェルフェイスに肌荒れができてたら古泉のせいだ。夜更かしは美容によくないからな。 翌日のハルヒは学校に着いてからSOS団のアジトへ行くまで俺から離れようとしなかった。不機嫌でも上機嫌でもなく、ただたんたんと俺の近くに。 昼も今日に限って弁当だったハルヒは俺を連れてここ、文芸部室で一緒に食べた。もちろんデフォルトで文芸部室にいる長門もいて、一緒に。 放課後である今までずっと俺にくっついているハルヒはなるほど、確かにあの小説の女性のようであった。性格は違うがアプローチの仕方がにていたのだ。 長門に至っては放課後になってからというもの殆ど会話のないまま俺から離れようとしない。 朝比奈さんと古泉が笑っている。なんだろう美女2人に囲まれているのにこの敗北感は。 「美女が2人もあなたに小説のように恋をするなんて、あなたが羨ましいですよ。」 俺は朝比奈さんと2人で話しているお前のほうが羨ましい。というかそんな事この場で言うな! ハルヒと長門にも聞こえてるぞ! 「SOS団で小説のような恋と昼ドラのような修羅場が見れる予感がするわ!」 ハルヒは物騒なことを言うな! 「そう。」 肯定するな! 「ほえぇ~」 朝比奈さん、それはどんな感情なんでしょう? 「ところで、あなたに恋心を気付いてもらうために小説の女性のような振る舞いを見せているお二方ですが、もう本人も気付いていると思いますのでどっちをとるか選ばせてみてはどうでしょう?」 古泉は俺を殺す気だ。ならばやられる前に殺してしまおう。 「ほえぇ~」 このままじゃあ危険な流れだ。 「俺は良く恋愛感情なんてものは理解できないから選べと言われても選べないぞ。それでも選べなんて横暴なことをいうやつは俺は好きにはなれないだろうな。」 「……。」 「うぐっ」 長門とハルヒが言いあぐんだ。これで俺にうかつに手を出せまい。実際俺に選ぶことなんてできない。恋愛感情ってものがよくわかってないからな。 「有希、ちょっといい?」 「いい。」 長門を連れてハルヒは部室から出てった。俺はチャンスとばかりに古泉に文句言ってやった。 「それは申し訳ありませんでした。それでもいずれあなたは選ばなければならないのですよ?」 「うるさい。そのときになったら選ぶ。」 「ですからそのときを作ってあげたじゃないですか。このままではあなたは近い将来に選ばなければならないときに同じ事をしてしまいますよ?」 「今の俺には恋愛感情なんてもんはよくわかってないんだ。恋愛なんて俺の好きにさせてくれ!」 「そうですか、ではそうしましょう。」 帰りはハルヒが古泉を誘って二人で帰った。捨てゼリフの様に明日の探索は中止、と言ってきた。 俺は長門に誘われて長門と二人で帰った。俺は明日が土曜日なのを今知った。それほどてんぱっていたのだろう。 朝比奈さんは少し寂しそうに1人で帰った。後姿はさらに寂しそうだった。 そして夜に携帯がなる。 「待ってたぞ、古泉。」 「おや、待っていてくれるとは光栄です。」 「今日の帰りの現象はなんだ?」 「おそらく、ですが僕の予想では涼宮さんと長門さんは『押し』と『引き』を決めているようです。」 「よくわからん。俺にわかるように話せ。」 「涼宮さんは、僕といることによってあなたに寂しさを覚えさせようと考えた。これは涼宮さんらしい、あなたが涼宮さんの事が好きという自信がないとできない行動ですね。」 「多少は理解した。長門は?」 「ですから『押す』という言葉の通りにあなたと出来る限り近くに居て…、いえ、というよりは長門さんは涼宮さんに『押し』と『引き』を提案されたときにあなたと一緒に居たかったから『押し』を選んだのでしょう。」 「よくわからんがわかったことにしておく。ところで俺は明日長門に誘われたんだがお前はハルヒといるってことか?」 「ご名答です。涼宮さんには『嫉妬させるようにうれしそうに伝えといて』と言われたのですが、その通りにするとあなたは暴走するか、嫉妬しないで僕たちを祝福してしますと考えたのでこのような伝え方をしました。」 「わかったよ。そういえばお前は俺とハルヒをくっつけたいんだったな。」 「その通りです。ですから暴走も祝福もしないでほしかったので説明したまでです。」 「まあムダに俺のためとか言われるよりもよっぽど信用はできるがな。」 「ありがとうございます。」 そうして夜は更けていく。 昨日早く寝たせいか、長門と約束した時間が早かったのか今日は早く目が覚めた。妹が起こしに来たときにはすでに外出できる準備が整っていた。 「キョンくんでかけるの? 連れてって~!」 そうだな、俺はお出かけだ。ふと妹も連れて行ったら長門も無茶しないんじゃないかとも考えた。が、長門だ。何をするかはわからん。 俺は妹が可愛いから心を鬼にして置いていくんだ、と心の中で言い、妹を無視して長門の家に向かった。 昨日長門に言われた通りに何も持たず自転車で向かう。見慣れた景色がやけに色あせて見える。 ハルヒと長門が全面戦争したらこのあたりは焼け野原になるんだろうな、何て妄想しながら周囲の景色を脳裏に焼き付ける。 あの2人の兵器が争わないためにはどうしたらいいんだろう。俺はどうしたいんだろう。俺はきっと現状維持したいんだな。 俺が望む現状維持に持っていくためにはどうしたらいいのか考えながら自転車をこぐとすぐに長門のマンションに着いた。 考えてる時間というのは、楽しい時間と同じくらいの速さで過ぎていく。 脳内会議での結論がでないまま長門の部屋にたどり着いてしまった。 「俺だ。」 「…。」 ガチャ。 「よう、待ったか?」 「いい。」 その後無言で通された俺はリビングのコタツに入った。 「あなたは早起きしたから今日は睡眠不足のはず。私の膝の上で寝るといい。」 長門よ、もしかしてそのために今日早い時間に指定したのか? 「俺は昨日早く寝たからそんなに眠くないんだ、すまんな。」 ふう、長門は頭がいいからどんなトラップをかけてくるかわからない。 ただ、俺がトラップにかかりハルヒに知られると修羅場になることは間違いなさそうだ。 「なら私が寝る。膝を貸して。」 ちょっと待て! と言いたいが、それくらいならイイだろうと思って貸してやる事にする。 「わかった。ゆっくり休んでくれ。」 長門が寝ている間にいろいろとゆっくり考えよう。 これからどうしようか。長門が起きたら図書館に連れて行くか。とりあえずそれで今日は何とかなるはずだ。 明日以降ハルヒにはどう接しよう。ハルヒにはいつも通りでいいか。何も気にしないでハルヒが小説の事を忘れるまで待とう。 ハルヒと長門がぶつからないために朝比奈さんを選んだらどうなるだろう。いや、共同戦線を張られたら人類が滅亡する恐れもある。 長門はもしかしたらこの状況を楽しんでるだけじゃあないのか? そんな事を考えていると長門にしては珍しく寝息を立て始めた。長門が寝ている所を見るのは初めてかもしれない。 考え事をしている時間は恐ろしいほど早くながれ、時間に余裕がある今は楽観的な事しか考え付かないものだ。 俺が考えていた今後の事はきっと実際は役には立たないだろう。 それにしても、寝ている長門も可愛いな。頭を撫でてやろう。起こさないようにな。 俺は長門を起こさないように最新の注意を払いながら頭を撫でた。 どれくらいの時間がたったのだろう。俺の脚は感覚が無くなるくらい限界を迎えていた。 長門を起こすのは忍びないので、俺は起こさないように慎重に近くの座布団の上に長門の頭を乗せた。 「ふぅ。」 ため息をついてから足を伸ばし、横になった。長門はスヤスヤ寝てるんだろうな、と思っていると俺も眠くなってきた。あれだけ寝たのにな。 寝ても長門の家だし、長門にはあまり迷惑をかけないだろう。それに長門自身寝てたし、俺ももう寝よう。おやすみ… 「おきなさい!!!」 誰だよ、眠いな。もう少し寝かせてくれ。 「起 き ろ !! バ カ キ ョ ン !!!」 え!?? ハルヒ?? また夢か? あれ、起き上がれない。仕方ないので目だけ開けて様子を伺う事にする。 そこには何故か俺に添い寝した長門、その上には怒り心頭に顔が真っ赤の鬼、ハルヒ。そういや奥の方で困った顔でにやけてる古泉がいたな。 「長門、起きろ。朝だぞ。」 「朝じゃないわよ! 夕方よ!!あんたたち昼間から何してたのよ!」 「もう夕方か。何してたんだっけな。長門、夕方だ。起きろ。」 長門はコタツの中でモゾモゾ動き、眠そうに言った。 「朝してたように、頭を撫でてくれたら起きる。」 しょうがないな。少しずつ頭が覚醒してきたのを感じ、長門の頭を撫でてやる。 「あんた達朝から何やってたのよ!」 「ちょっと待ってくれハルヒ。今起きたばかりなんだ。少し落ち着く時間をくれ。頭が覚醒してない。」 長門の頭を撫でながら古泉にお茶をいれてくれ、と頼んでお茶の到着を待った。 「ところでハルヒ、何でここにいるんだ?」 「有希と昨日、この時間に報告会をする約束したのよ!」 じゃあ何で古泉がいるんだ?とは聞かないし聞けない。 「そう。」 長門よ、起きたなら起き上がってくれ。もう手がしびれた。 「そう。」 お茶を入れた古泉がテーブルに並べると、ハルヒはコタツを挟んで俺の正面に座り、俺の右に古泉が着席した。 長門は今度は再び俺の膝の上に頭を乗せている。俺は無意識に頭を撫でている。 「朝比奈さんはどうしたんだ?」 古泉によると、声をかけてすらいないらしい。1人寂しくお留守番か。最近の朝比奈さんは影が薄いな。 「で、俺は何に答えればいいんだ?」 「だから、朝から、何していたのか、よ!」 そんなにどなんないでくれ、と言った後俺は今日の出来事を事細かに説明した。 長門は相変わらず膝の上に居て、しかも一言も発していない。 「あっそう。有希と2人でイチャイチャくっついてたんだ。」 「じゃあ一応聞いておくが、お前は古泉と2人で何をしてたんだ?」 古泉はそんな俺の言葉に満足したのか、安堵したようなニヤケ面をし始めた。 ハルヒは待ってましたとばかりに『フンっ』と鼻を鳴らし、 「あんたには関係ないでしょ? 気になるなら教えてあげてもいいけど?」 と言った。正直想定の範囲内なのであまり気にならなかったが古泉の嘆願するような顔に負けた。 「じゃあ気になるから言ってくれ」 そういうとハルヒは今日の出来事と思われる事を1人でずっと説明してた。古泉は苦笑い。 俺は長門の頭を撫でてハルヒの発言を右から左に流してた。頭を撫でるたびに見せる長門の表情が可愛い。 ハルヒの話が終わる頃には俺は長門の頬を軽く引っ張ったり撫でて遊んでいた。長門は嫌そうな顔をせず、というかほぼ無表情なのにどこと無く嬉しそうな顔でいた。 そして完全にハルヒが話を終えたときにようやく俺は口を開いた。 「そうか、そんな事があったのか。」 正直、まったく聞いてなかった。長門が可愛くて見とれていた。 「ちょっとキョン! 何で嫉妬とかしないの?」 「俺は普段どおりのSOS団が好きなんだ。みんながバカやって、仲良くやって、楽しくやっていきたいんだ。ハルヒと古泉が仲良くなってなんで嫉妬するんだ?」 ハルヒの怒りのボルテージが上がるのがわかる。 「ついでに言えば、俺は今は恋人を作る気はまったくない。恋人を作ってSOS団の楽しいひと時を壊したくないからな。 今回の騒動で朝比奈さんは今日は一人ぼっちで寂しい思いをしてるかも知れない。俺はSOS団のみんなで仲良く遊びたいんだ。」 「あなたの口からそんな言葉が出てくるとは思いませんでしたよ。前に涼宮さんに、SOS団なんか辞めて普通に恋人作れと言った人の発言とは思えません。」 古泉よ、お前はあくまでハルヒの味方なのか。 「ハルヒだって恋愛は一種の精神病と言ってたしな。人の考えは変わるのもだ。変な言い方かも知れないが、俺の恋人はSOS団だ。そして団員全員だ。」 そういって長門に起きるように促し、俺がいかにSOS団にいることが楽しく思っているかを熱弁した。 ハルヒは納得したようなさせられたような表情をして、古泉はニヤケたまま、長門は俺によりかかって幸せそうにしていた。 「わかったわ! 今回はおとなしく引き下がるわ! 明日からはたっぷりこき使ってあげるから覚悟しなさい!!」 ハルヒは笑顔でそういい、その代わりにSOS団に飽きたら付き合いなさいと言って来た。そこを俺は無視して 「じゃあ明日からは今まで通りに戻ってくれよ」と。 でも長門はハルヒの言葉に反応してとんでもないことを言った。 「あなたが彼と付き合うことを確約するのなら私は今夜彼を帰さない。」 やめてくれ、争いは。俺は確約はしない旨を必死で長門に説得し、また不機嫌に戻っているハルヒにSOS団将来的にはお前が恋人かもな、とごまかすとすぐに笑顔になってくれた。 ハルヒは結局満足して古泉を連れて帰っていった。 俺は長門の家に一泊した。長門は寝るまで膝に頭を乗せて本を読んでいた。起きたらまた抱きついていた。変なことは決してしていない。 ハルヒにはあんなことを言ったけど、膝枕してるときの長門の表情見たら長門以外考えられないんだろうな、なんて考えてた。 そうして考える時間に余裕ができた俺はハルヒが小説の事を忘れていることを祈り、俺に対して恋愛感情以外のものを抱いて欲しいと思いながらとりあえず長門といる今を満喫している。
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注意 ここに書かれている文章は全て(仮になります 概要 バトルロイヤルのメンバーで小説を書きましょう。 参加者は全ての作品に感想を書いて盛り上げましょう。 最優秀賞 優秀賞 佳作 を投票数によって決めます。 期間はゆっくり設けたいと思います。 会場 http //marinonet.org/novel/novel.cgi マリノネットさんの小説投稿室を利用してマリノネットさんのページも盛り上げたいと思います。 参加者 うまかぼう 審査員 読んだ人全て。 誰がどれに投票したというのは聞きませんが、自分の作品に票を入れるのはやめましょう。 票が重なるのを避けて、一人5票を持ち、それぞれ別の作品に票を入れることにします。 〆切り 未定です。 応募規定 バトルロイヤルの小説に限ります。 (テーマは未定) もしも無ければバトルロイヤルをテーマにします。 バトロイ関連ならなんでもありです。 例) D-BR杯にて D-BR杯名勝負 激戦,D-BR杯! バトロイ甲子園! ウスターvsキャベツ 魔理沙のバトロイ日記 バトルロイヤル内の出来事など 作品には感想を書きましょう。もし書かれなかった場合は失格とします。 これは投票も同じです。 応募資格 バトルロイヤルの参加者限定です。 結果発表 全ての投票が終り次第発表となります。 例 選択肢 投票数 投票 小説1 0 小説2 0 小説3 0 こういった形で票を投票します。 参加募集 人数が集まれば決定となります。 名前 コメント
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この人は今のところ確認されてるのは短編小説だけなので、そちらを張ろうと思います。 短編小説「Doraemon~NobitaAnd Monster Hunter~」
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******シロー小説 #1****** ※ エキサイト翻訳で日本語を英文にし、その英文を日本語にした文章を載せます。 http //www.excite.co.jp/world/ (エキサイト翻訳) …暇な人が更新しても可… -----その①------ ・原文・ あるところに、ちゃぃ丸と呼ばれる女性がおりました ちゃぃ丸は、例の彼氏の話をしておりました すると、ある男がちゃぃ丸につっかっていきました 目標がないだの、男ばっかの話じゃねぇか。、、、と 険悪な空気になった所に、教祖様ANNA HAIが仲裁に入りました 一言「まぁまぁ!」とおっしゃって、また飛んでいってしまいました ・訳訳文・ 円は目標がすべて、話でないように男性だけの話です。「. いっぱい中に確かで あると呼ばれる女性をするとき、a確信している男性それが例の小説についてボー イフレンドのものに言うItは言います、そして、飛びました、それが単語を入力 したと言って」よろめき。 ..「回転。」ANNA HAI危険への仲裁が放送する宗教と それが置くなることの創設者。 -----その②------ ・原文・ もちはだは原則として謹慎とする コンビニでの買い物は3000¥以下 セミを人に投げない 地球儀を蹴っ飛ばさない 老人に暴言を連続して言わない 他の部屋を覗いて喧嘩をしていたら「まぁまぁ!!」 煙草の吸い過ぎに注意 健康を害すような変体プレイはしない 親を大事にする 基本的にもちはだは謹慎とする 暴言はなるべく日本語で行う 外国の方に優しく 障害者にも優しく やりまんにも優しく 中学生にも優しく 会話不能な人にも誠意ある行動をしよう 荒らしが来ても慌てない ご飯ROM等で席を空ける場合は事前に申し出をする ナンパをするよりされよう 日本語で話そう 私生活に影響が出ない程度にのめりこもう 募金や集金活動をしない 出会い系の自慢話はしない 彼氏の自慢をしない プロフを自慢しない ディズニー信者を増やさない ヤンキーを見ても馬鹿にしない 人の家の冷蔵庫を勝手に開けない お中元を使いまわさない 含み針は禁止とする 持ち込める本は民明書房以外許可する 宗教争いはなるべく控えめに 紳士ぶらない 馬鹿にされた位で泣かない ナンパ師をいじめすぎない 気違い相手にマジにならない 食べながら話さない 飲酒でのタイピングはなるべく避ける 避妊はピル以外は不安だ 危険な人を見かけても迂闊に話しかけない 危険が危ない こんどるがめりコンドル いやがらせをしない ヘブライ語で話さない 出来るだけ本音で話す 挨拶の出来ない人を叩いても良い 毎回毎回変なハンネで来る人も叩いて良い 心無いレスをしない ゆずが中心に世界が回っていると考えたい エスカレートした自慢話をしたものは厳罰処分 10円拾ったぐらいで威張らない 荒らしに何か言われてもマジ切れしない ・訳訳文・ 柔らかい公正ななめらかな皮膚は放り出されなかった地球をけってのけません。 コンビニエンスストアで買い物をするのは、原則として後悔であると仮定しまし た。. . 3000円の人の下。 乱暴な言語は絶え間なく老人に言われていません。 喫煙、「「覗き見するとあまりに多くが別に有名であるタバコは同居します、そ して、戦います」。 健康を害する異形をプレーしない両親が評価されます。 それはハンディキャップがある人、および基本的にもしている、優しい外国に優 しいです。柔らかい公正ななめらかな皮膚後悔になるように想定された乱暴な言 語は、して、あります。中の日本人ができるだけゆったり過ごす学生にとって、 優しいよろめき、良いです。 また、誠実な動作をする破滅が話すことができない人に来ても、それは慌てませ ん。 席が食事ROMなどで空けられるとき , それがあらかじめ提供されたナンパをする ために行われる日本語で、話しましょう。 影響が私生活に出かけない範囲に自らを譲るために収集のお金の資金調達と活動 をしないミーティングシステムが誇っていないボーイフレンドを自慢しない教授 が自慢されません。 費やされなかった満足している針はディズニー信者の数を増加させないyankeeが 許可なしで見られても嗤笑でそれを保持しない人の家の冷蔵庫を開けない一年の 中頃のプレゼントを使用するのによる禁止であると思われます。 持って入ることができる本に関して、宗教Tamia書店を除くのが受入れられた決闘 は控えめに紳士にできるだけ影響しません。 それは話されません。食べますが、嗤笑で保持され過ぎた場所で tをdoesnする と泣き叫ばないマスターナンパをいじめない気が狂った相手はマジェーになりま す。 飲酒でタイプすることに関して、できるだけ避けられた避妊は錠剤を除くのに おいて不安です。 危険、危険人物が見られても不注意に話さない、危険です。 真意でコンドルをできるだけいらいらさせないようにヘブライ語でもう話すべ きでない話されたこの時間です。 あなたはそれに挨拶することができない人を負かすことができます。 毎回毎回奇妙なハンネと共に来る人がそうする無情なResも打ちます。しません。 何かがセンターへの世界の回転であるyuzuオレンジをしたと思うと10円に関する 厳罰処分が増大が誇っているもののように再開された場所で威張られなかった破 滅に言われても、マジェーは切れません。
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